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書籍

2009/09/22 20:58

 

 「何故、本は売れないのか」

 答えは簡単で、それは"面白くないから"だ。

 何の努力もなく、ただ無条件にそれが愉しくなる性質を持っているというものはそうそうあるものでもなく、すべては、面白さを理解するためにそれなりの努力を要するものがほとんどである。

 現在、特に若者に人気がある商品は、それだけの努力を経てきたからこそ支持を受けるまでに至っているのであって、そのような努力からは、残念ながら遠い位置にしかいない本が売れないのは当然でもある。例えば、本の宣伝をしているCMって見た事あります?

 その様な状況の中でケータイやゲームに勝とうということは所詮無理な話で、いくら、本を読むことは大切なことであるとかなんとかいってみても、人間というものは興味が持てないことに対しては目を向けないという現実の前には為す術もない。

 面白いか面白くないか、その線引きは主観によって決定されるものであり、他者の働きかけは、結局は補助的な意味合いしか持たない。それでも、ベストセラーが登場するのは、それが"売れている"本であるからであり、その事実が益々売れることへと繋がっている。しかし、それはあくまで"売れている"本であって"面白い"本というわけでもないのだ。第一、トップテンに入る本がゲームの攻略本であったりする状況では、本の面白さなど相手にされていないようなものなのではないだろうか。

 とはいえ、私個人でいえば、昔の作家の本よりは現在の作家の本の方が、十分に面白く感じている。それは、大雑把にいえば作者と私との感性がより近い位置にあるということが関係しているのだろうし、かつての文豪の本を消化してきた作者の力量といったこともあるようにも思う。

 最近でも、映画化や舞台化されている作品は数多くあるという事実は、それだけ魅力的な世界が広がっていることを示唆しているし、「映画化不可能とまで言われたこの作品を映画化」というような宣伝文句は、安易な題材を求めているわけでもないということを物語っている。

 にも拘らず、映画から本の世界への逆流が果たされないのは、本というものをアピールしようとする意志が働いてこなかったことに尽きるのではないだろうか。

 市場というものは、送り手と受け手の双方の目がバランスよく存在しない限り、健全な状態になりはしない。紛い物を見抜く目、本物を見つける目は、どちらにも必要なものだ。そのような目はやはり養っていくことでしか獲得できるものではなく、そのような努力を怠ってきたツケが現在に表れているということなのだろう。

 

カテゴリ: リビング  > 暮らし経済    フォルダ: 時事

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